復興への挑戦 ゴルドウンガ 4

0605

アースバッグ工法の第1号となるモデルハウス。主に子どもたちの教育施設として使われる予定

我々の仲間たちは、インドから受け取った大型テントを、被災した山間部の村へ運び学校用に設置する作業を、今なお続行中だ。
一方、ゴルドウンガで約一ヶ月の時間を費やしたモデルハウスは、
「Earthquake Memorial House(地震記念館)」という名前でついに竣工した。このモデルハウスは、台風や地震などの自然災害に強いといわれているアースバッグ工法を用いている。物資の輸送が困難な山間部で、その土地にある自然の素材を最大限に生かした、環境にも人間にも優しく、そしてなによりも災害に強い家だ。家の外壁は、自然なアースカラーの配色でエコロジーな雰囲気たっぷり。これからいろいろなアースバッグハウスが生まれることになる。
また、被災した村人たちはじめ、応援にかけつけてくれたボランティアの方々や、海外から応援してくださった多くの方々、そして我々のスタッフたち、全ての人の力と知恵が結集しなければ、この家の実現は不可能だっただろう。
6月5日の世界環境デーには、完成式典が開かれ、記念の植樹をおこなった。(youtubeの動画より)
このゴルドウンガ地区の地震記念館(第1号館)へは、内外からの寄付により、たくさんの本や文房具が送られた。
モンスーン前は早く、数多くシェルターを作り雨季に備えることを優先に考えているが、長期的には、恒久的な学校を数校建設する予定でいる。我々は、協働できる人たちと共に、このプロジェクトを遂行していくつもりだ。
記事原文:Phulkhrlka EQ Support Fund(6月7日)
記事原文:Phulkhrlka EQ Support Fund(6月5日)
その土地にある土がメインの材料。木を伐採する必要がなく環境にやさしい

その土地にある土がメインの材料。木を伐採する必要がなく環境にやさしい

有刺鉄線や杭などで土嚢袋をズレないように固定していく

有刺鉄線や杭などで土嚢袋をズレないように固定していく

壁に漆喰等の塗り壁で仕上げる

壁に漆喰等の塗り壁で仕上げる

たくさんの文房具や本が寄贈された。

たくさんの文房具や本が寄贈された

6月5日の世界環境デーに竣工イベント。地域の要人も招かれ、大勢の人で賑わった。

6月5日の世界環境デーに竣工イベントが開かれた。地域の要人も招かれ、大勢の人で賑わった

世界環境デー、そしてアースバッグハウスの竣工を祝して、記念の植樹を皆で行う

世界環境デー、そしてアースバッグハウスの竣工を祝して、記念の植樹も行った

ゴルドウンガ村に明るい希望の光が差した

ゴルドウンガ村に明るい希望の光が差した

地震5日前のフルカルカ再訪

2014年よりスタートした農業技術推進プロジェクトの視察を主目的としての再訪。6年前に王制から共和制に移行し、最初の国政選挙で勝利したマオイスト党のプラチャンダ元首相も出席。いつものように踊りで歓迎された。
しかしその5日後にはこの会場となったセカンダリースクールの主要な建物は30秒間で瓦礫の山と化した。写真は4月20日に撮影(SK)
DSC_0311DSC_0339DSC_0347DSC_0348DSC_0351DSC_0353

 

そのとき、フルカルカは・・・


4月25日11時56分、数十万戸のうち数千戸にも及ぶ家屋が潰えてしまった。私の家もフルカルカ村も無くなったのだ。子どもの頃はまるで共同体で暮らしているようだった。食事も60人くらいで一緒にするのが日常で、近所には、仲間と遊び疲れた私たちの寝泊りの場所になる家が10数軒もあった。穀物貯蔵所、料理場所、訪問客用の家、それに100匹近くいた家畜用の小屋もあった(牛、水牛、山羊、羊、そのほか沢山いたのに・・・全部死んでしまった・・・一瞬のうちに)。残っているのは思い出だけ・・・

記事原文:phulkhrka_EQ Support Fund(5月10日)

0428_phulkhrlka_3

瓦礫に埋もれてしまった牛たちが痛々しい。

0428_phulkhrlka_2

2軒を残して全ての家屋が崩壊した

0510_phulkhrlka_3

雨風に耐えながらも、生きるために生活を続けなければいけない。心休まらぬ夜はいつまでつづくのだろう。。

0510_phulkhrlka_4

地震発生時刻が昼前だったので多くの村人は農作業で屋外にいた。お年寄りと小さな子どもを除いては。。。

 

モンスーンに備えて 2

6月2日、私たちは65 クラスルーム用の(少なくとも雨から頭を覆うことができる必要最小限の)大型テントをインド国境で受け取ったという知らせを受けた。今夕か明朝には村に着く予定。これにより、少なくとも20の学校がこのテントの恩恵を受け、授業を続ける見通しがたった。またカトマンズからはリプーをリーダーとする6名のチームが村に向かい、教室用の大型テントの設営に当たる予定。我々のスタッフには、(大型テントはじめ物資を運ぶ)輸送チームと、(住むための設備を供給する)sewalaチーム、そして(お兄さんたちのお手伝いをする)ジュニアチームがおり、様々な物資の輸送、そしてテントの設置や、モデルハウスの建設(ようやく一戸完成、これから10戸を建設する予定)、壊れた住宅の設備の修繕など、様々な問題と向き合いながらも日々奮闘中だ。近々、村での彼らの活動の様子もUPしていきます。

 

モンスーンに備えて 1

避難用の一時的なシェルターをつくっているところ。 この場所は学校の前の広場で、子供達のサッカー場であり、大きな集会場でもあり、またヘリコプターの発着場でもある

避難用の一時的なシェルターをつくっているところ(フルカルカ村)。この場所は、学校の前の広場で子供達のサッカー場であり、大きな集会場でもあり、またヘリコプターの発着場でもある。

6月1日、揺れは少なくはなったがまだ続いている。海外から観光で訪れる人も、ほんのわずかだが増えてきたようだ。
比較的低い位置にある二つの村(フルカルカとグミッド)では、もうすぐ始まるモンスーンに対応して、簡易テントの設置が急がれる。モンスーン期は6月から9月中旬まで雨が多く、フルカルカ村への道が流されてしまう。次に道路が再開するのは、雨期があけてから、道路の修復が終わる11月ごろになってしまうので、大きな荷物の輸送が急務だ。
インドに注文した65セットの大型テントは先週金曜日に国境で受け取る予定になっており、Eco Trekのスタッフが待機していたが受け渡しが遅れている。この後順調に村まで移送できれば、今週末には学校の教室用としても設置できるだろう。我々のチームから土壌検査を含め、技術面でのチェックを目的に派遣していた技術者が戻り、彼らの報告をもとに、より長期的な観点からの再建計画を地方政府と中央政府に提出する。資金援助については日本から3回目の送金を受領した。またオーストリアの友人からも同様に援助基金の提供を受けた。

一方、より高地にある村については、いまだ政府による将来の方策についての決定待ちとなっている。彼らはもともと小さな集落が多くあり、この地震で全てを失ったため、移住するにしろ地代がゼロの国立公園など政府が管理する場所でなくては生活できない。

世界環境日の6月5日には、ゴルドウンガに完成したモデルハウスをオープンし、地元の人々、特に子供達に利用してもらう。一年間の教育期間で教師の必要経費も我々で負担する。

記事原文:Phulkhrlka EQ Support Fund(6月1日)
記事原文:Phulkhrlka EQ Support Fund(5月23日)

 

復興への挑戦 ゴルドウンガ村 3

5月12日、再びマグニチュード6.8の大きな揺れがこの国を襲った。崩壊したゴルドウンガ村でのシェルター建設はこのため、一時中断を余儀なくされた。動揺する気持ちをコントロールしながら5月13日からふたたび建設を再開。しかしこの家の完成を待っている人たちがいるかぎり、立ち止まっている時間はないのだ。今はたった1つの家の建設だが、この近くに、住む家がなくなった人たちや家族のためにあと10個近く建設する計画を実行しなければならない。

続きを読む

地震直後〜数日後 ゴルドウンガ村 2

多くの人が住むところを失ったゴルドウンガ村。残りわずか80戸の古い街並みはたちまち瓦礫にうめつくされてしまった。ジョティ氏のリードにより簡易シェルターの建設が始まった。まずは泊まるところとして。その後は、村のコミュニティセンターとして使用予定。これらの写真はジョティ氏の了解のもとに我々のブログで掲載している。(SK)

記事原文:Phulkhrlka EQ Support Fund  5月3日 23:41

rescure

共に助け合いながらの救助作業 4/29

life is on

生きて、生活は続いている 4/29

tent

極小のシェルターで30人が雨風をしのぐ 4/29

人海戦術で、石や土嚢を運ぶ 0503

人海戦術で、石や土嚢を運ぶ 5/3

村人とecotrekメンバーによるシェルターづくりがはじまった 5/3

村人とecotrekメンバーによるシェルターづくりがはじまった 5/3

建設費用は一万ドル。材料、無償で働く地元の人々の食事などを賄う

建設費用は一万ドル。材料、無償で働く地元の人々の食事などを賄う

2015.4.25 11時56分 カトマンズでは…

ゴルドウンガ村を訪ねたその直後、タイ航空のバンコク向け便を待っている時に、マグネチュード7.8の地震が発生。しばらく飛行場で余震の収まるのを待ちホテルホーリーヒマラヤにタクシーで戻った。
そこでオーナーのジョティはフルカルカ村は2戸を除き全戸倒壊、また今朝一緒に訪ねたゴルドウンガ村も残っていた80戸が全倒壊したと、茫然自失しながら語っていた。(KS)

続きを読む

地震当日の朝 ゴルドウンガ村 1

2015/4/25 ネパールを襲った大地震の3時間前。カトマンズ市に隣接する国立公園の麓にゴルドウンガGlodhngaという美しい村があった。この村はもともと特殊なカーストに属する人たちが住んでおり、王制の時代王家の人たちの装身具のみを作っていた。6年前に王制から共和制に移行されたことにより、このカーストの存在意義はなくなり一部の人たちは新しい職を求めて村を去り、半分空き家となった家屋が80戸残るだけとなった。 続きを読む